臨床指導者の視座による分娩介助の「振り返り」という学びの意味
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概要
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本研究は,学生が分娩介助の「振り返り」をとおして学ぶということ,すなわち分娩介助の「振り返り」という学びの意味を,臨床指導者の視座から明らかにすることを目的とした。対象は,分娩介助の指導を行う臨床助産師(以下,指導者とする)11名である。データ収集方法として,まず分娩介助の「振り返り」に居合わせ,指導者と学生のやり取りを観察し,その後数日以内に指導者へ半構造化面接を行った。面接での録音データは逐語録に起こし,質的記述的に分析を行った。その結果,指導者によれば「振り返り」は,指導者と学生の語り合いを基軸に学びを深めるプロセスである。《体験を共有した者同士が語り合う》は,《体験が印象づけられる》《経験を消化し実績として積み重ねる》《学びが深まる》のみならず,《将来の方向性を模索する》《今後に前向きな気持ちをもつ》《指導者との関係性が修復される》をもたらす。そして《学びが深まる》は,《将来の方向性を模索する》《今後に前向きな気持ちをもつ》《今後の目標や課題が明確になる》に結びつく。指導者は「振り返り」の内実をこのようにとらえており,だからこそ【段階的成長に欠かせない道標】とみなしていた。
著者
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