FeおよびNi_3Feのメスバウアー回折(修士論文(1981年度))
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概要
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I.位置敏感型比例計数管を利用したメスバウアー回折計測システムを用いてFeのメスバウアー回折実験を行なった。その結果,短時間に散乱角の広い範囲にわたってメスバウアースペクトルを観測しこのシステムの有効性が実証された。そして,メスバウアー散乱は干渉性であるが内部転換に伴う2次X線散乱は非干渉であることを確認し,さらにメスバウアー散乱とRayleigh散乱の干渉現象,メスバウアーインコヒーレント散乱スペクトルが観測できる。II.partially ordered Ni_3Feの長距離秩序(LRO)と短距離秩序(SRO)の関係をメスバウアー回折実験により調べた。得られた(A)メスバウアー吸収(B)メスバウアー超格子散乱(C)メスバウアーインコヒーレント散乱各々のスペクトルを試料の厚さの効果を取り入れた2項分布モデルで解析した。その結果,X線・中性子回折でLROパラメータ0.87と求めたNi_3Feの吸収スペクトル(A)は良く再現できたが(B),(C)のスペクトルはこのモデルでは説明できなかった。このことはNi_3FeのorderingはSROがLROに応じて定まる2項分布モデルには従わない可能性を示唆している。
- 物性研究刊行会の論文
- 1982-08-20