地方都市における有機農産物のフードネットワークの課題 : 広島市を事例として
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概要
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本稿では,有機農産物の実態的データの現状分析を通じて,有機農業運動とビジネスとしての有機農業の両側面からみた地方都市における有機農業の問題点を明らかにすることを目指している。広島市を事例とし,分析枠組みとしてフードネットワーク論を援用した。地方都市において,有機農業運動とビジネスとしての有機農業の両側面からみた有機農業が,いかなるフードネットワークを形成しているのかについて,介在する様々なアクターの認識や行動がもたらす影響に焦点を当てて分析し,そこから抽出される問題点を明らかにした。分析の結果,広島市の事例からではあるが,有機農家の拡大,増加が大幅には見込めないことや有機農業へのこだわりの高さから,有機農業運動のひろがりが頭打ちとなっている点,そしてビジネス的な面においても,広島市は集荷圏が狭く,まだ高付加価値商品としての有機農産物を購入する層も限られる小さな市場であるために需要と供給が噛み合う仕組みが構築されにくい点が指摘できた。
- 2009-10-28
著者
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