石垣島白保「垣」再生 : 住民主体のサンゴ礁保全に向けて
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概要
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2006年4月5日沖縄県知事より白保魚湧く海保全協議会(会長:山城常和)に対して公共用財産使用許可が下りた。これにより1972年の本土復帰以降初めて許可を受けた垣(カチィ)の構築が実施された。白保魚湧く海保全協議会は、サンゴ礁環境を保全し、上手に利用することで持続的な地域の発展を進めようと白保集落の住民によって設立された組織である。同協議会では、地域の人々が海と接し、子どもたちが海の文化や魚の生態などを学ぶ場として垣を復元することを目指した。これは、垣の復元と垣漁法の継承を行うことが、サンゴ礁環境の保全と内発的な地域の活性化につながると考えたからである。一連の復元プロセスは課題に満ちたものであった。約10ヶ月間の作業を通じて、集落の中にかつての生活文化を見直そうという気運が高まっている。今後、完成した垣の利用と管理活動を通じて、コミュニティ組織が自律的に地域のサンゴ礁の保全に取り組むことが期待される。
- 2007-03-31