裏磐梯、泥流上のアカマツ林における実生集団の20年間の変化
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概要
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はじめに 植生遷移における後継種の侵入は種子によることが多いので、実生の定着とその後の成長は遷移の方向性を大きく左右する可能性がある。しかし、観察された実生が定着したか否かは、実生集団の長期にわたる継続観察によって初めて明らかとなる。磐梯山は1888年に噴火して広範囲に泥流を流した。山腹部の泥流上ではその後の遷移の結果、樹高25mにおよぶアカマツが優占する陽樹林が形成され(吉井,1939;Hiroki, 1979)、現在に至っている。このアカマツ林では1980年に永久調査区が設置され、大サイズの樹木の動態が追跡調査されてきたが(Tsujimura and Hara,1997;高木。辻村,1996;斎藤, 2006)、実生についても、1985年と1997年に、この永久調査区の一部が調査され、報告が行われている(Akiu and Tsujimura,1992;宮内・辻村,1999)。本研究は、これらの報告と同じ場所を2005年に再度調査することによって、実生の動態に関するより詳しい知見を得ることを目的として行われた。
著者
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