白熱電球を用いた熱放射の実験
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概要
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熱放射の実験を改良する目的で,白熱電球のエネルギー散逸に関する測定を行なった。その結果,電球内部を10^<-2>Torrにすれば空気による熱散逸は無視できること,高温では導入線による熱伝導は無視できること,フィラメントにセラミックを塗布すると放射エネルギーは2倍以上になることがわかった。従って電球に穴をあけ内部を真空にすれば,放射エネルギーは消費電力を測定して求めることができる。この結果をもとに,今まではT^4則を確めるだけであった実験内容を,次の様に改めた。排気用の穴をあけた2コの電球(このうち1コはセラミックを塗布したもの)の消費電力を測定し,各々の放射率を計算する。ガス入り電球の消費電力を測定し,排気した電球との差より,ガスによる熱損失を計算する。これらのデータより,放射率は表面状態によって大きく変化することや,熱放射の温度変化は熱伝導よりも急激であることが確められるようになった。
- 日本物理教育学会の論文
- 1987-03-10
著者
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