慣性力を使わない等加速度系の指導法(I)
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概要
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加速度系に対する従来の扱い方は,知り得る範囲では,すべてダランベール(D'Alembert)の原理を用いて静力学の問題に帰着させる方法をとっている.この方法は,慣性力(見かけの力)を導入することによって,運動方程式F=maが加速度系に対しても形式上適用できるようにするものである.その結果,加速度系に対しては,作用・反作用の法則はもはや成立しないのである.ここでは,エネルギー保存の立場から,力学的エネルギー保存則を加速度系にも適用できるように拡張を試みる.この方法に従えば,「慣性力」についての議論も回避でき,さらに慣性系はその加速度が0の場合に帰着させることもできる.このように,エネルギー保存則を拡張する立場から一様な等加速度系について議論する方法について述べる.
- 1980-09-25