マイコンを使った自由落下法による重力加速度の測定
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概要
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マイコンは,命令実行のタイミングを,内蔵するクロック信号でとっている.このことから分解能のよい,ソフトウェアータイマーとして応用できる.マイコンのこの特性に着目し,物理教育の立場から,従来時間計測の点で困難であった,自由落下法による重力加速度の測定の実験に,マイコンを適用してみた.鋼鉄球を約2mの高さから自由落下させる実験装置を作り,落下途中の4箇の時点を光センサーで検知する,最初の通過時点を基準として,あとの3点を通過する位置と時刻を測定すれば,重力加速度gを求めることができる.ここでマイコンをメモリ機能をもつ,自動計時のストップウォッチとして利用した.位置と時刻のセンサーには,He-Neガスレーザ(LHG-3211,1mW)とレーザ用光電素子:ピンフォトダイオード(NDL2208)を組み合せて用いた.位置を1/10〜1/5mm,時間を1/10,000秒の分解能で測定し,結果として重力加速度979,3cm/sec^2の値が得られた(理科年表によれば東京の重力基準は979.76cm/sec^2).
- 日本物理教育学会の論文
- 1979-12-25