力学講義実験に関する一工夫
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概要
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黒板と白墨による理論の講談のあいだに挿んで随時行なわれる講義実験は,生徒の物理に関するセンスを養うのに不可欠であるのに,そして今日では種々便利な材料や部品が入手できるのに,初等力学のような分野での講義実験は昔よりむしろ貧弱になっているように思われる。筆者はそのような弊を打破して力学講義実験を行ないやすくするのに役立つ新型のスタンドを考案した.本稿前半Iではそのようなスタンドの構造とその効用について述べる.後半IIでは,実施例の1つとして,結合振動の実験について詳論する.講義実験は,生徒の好奇心を刺激するものであるとともに,それ自身体系的性格をもち,理論的理解を直観的な仕方で助けるものであることが望ましい.その意味で,ここに述べる装置は容易に変えて見せることのできるパラメータを含み,かつ装置も1つではなく,互に比較できる2種類を用意するものである.
- 日本物理教育学会の論文
- 1976-05-20