象牙質の発生・発達過程に伴うプロα2(I)コラーゲンの象牙芽細胞における局在に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
歯の再生において,象牙芽細胞の分化及び機能は重要である。しかし,象牙質形成過程における主要な細胞外基質のI型コラーゲンに関する知見は少ない。本研究では象牙質の主要な細胞外基質であるI型コラーゲンに着目し,象牙芽細胞の象牙質形成過程における細胞内の局在をin vivoで観察することを目的とした。胎生18日,生後1,2,3,4,及び6週齢のWistar系ラットを灌流固定後,下顎第1臼歯を下顎ごと摘出して脱灰,包埋し,試料とした。連続切片に,ラットproα2(I) collagenのdigoxigenin標識RNAプローブを用いたin situ hybridizationと,pro-Coll抗体を用いた免疫染色を施した。歯冠中央部象牙芽細胞におけるproα2(I) collagenのmRNA発現は歯冠の完成に伴い減弱するのに対し,pro-Collタンパクは象牙質の活発な形成期には象牙質形成面に局在するが,歯冠形成完了後は,細胞体から象牙芽細胞突起へと局在が変化することが認められた。また,髄角部象牙芽細胞では歯冠形成完了後も,高いproα2(I) collagenのmRNA発現と強いpro-Collの免疫反応が保持されていた。
- 2006-06-30
著者
関連論文
- ラットの骨,象牙質およびセメント質におけるI型コラーゲンC-プロペプチドの局在に関する研究
- 球間象牙質の研究 : 基質的特性と加齢現象に関して
- 象牙質の発生・発達過程に伴うプロα2(I)コラーゲンの象牙芽細胞における局在に関する研究