マウスの歯および歯根膜におけるlgGの局在
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概要
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本研究では生理的な生体の歯髄及び歯根膜におけるIgGの局在を,細胞外基質の局在と対比させて免疫組織化学的に検討した。また,IgGと細胞外基質との相互作用をアフィニティークロマトグラフィーによって検討した。光学顕微鏡レベルでは,IgGとコラーゲンの免疫組織化学的な染色部位に相関性があった。電子顕微鏡レベルでの免疫組織化学的な検討からは,IgGの局在がコラーゲン線維に認められた。アフィニティークロマトグラフィーによる検討ではIgGがコラーゲンに親和性を示すことが明らかになった。また,その親和性がフィブロネクテン(Fn)の存在により低下した。これらの結果は,歯髄や歯根膜のIgGが単に組織液中に溶存するのではなく,細胞外基質との相互作用によって保持されている可能性を示唆した。IgG保持機構として細胞外基質が関与するならば,IgGの細菌凝集作用を効率的に起こすのに有効であると考えられた。
- 2006-06-30