体幹の傾きの違いによる車椅子の片手片足駆動の運動力学的解析 -健常者を対象として-
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概要
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片手片足での車椅子駆動は, 体幹前傾で駆動することが良いとされているが, 指導法について明確ではない. そこで, 実際の片手片足駆動について, 運動学的・運動力学的に解析することで駆動特性をより明確にし, 車椅子駆動の指導の指標を得ることを目的に, 体幹の傾きが前傾位・中間位・後傾位で, 車椅子を片手片足で駆動を行った. その初回駆動をビデオ撮影, 表面筋電図, 床反力計により分析し, 駆動後にVisual Analog Scale (以下, VAS) を行い, 3姿勢による違いを比較検討した. 対象者は, 車椅子駆動に関し未学習の健常男子学生10名とした. 駆動時間の平均は有意に前傾位が短かった. 筋電図による分析では, 脊柱起立筋は前傾位, 腹直筋は後傾位で筋の活動量が大きかった. 積分量の比較でも, 脊柱起立筋の前傾位, 腹直筋・下肢の後傾位は他姿勢と比較し, 有意差がみられた. 床反力の積分量の値の比較では, 前傾位と他姿勢に有意差が見られた. VAS では, 有意差はみられないが, 後傾位で駆動しにくい傾向にあった. この結果から, 後傾位で最も活動量が大きかったが, 単位時間・単位体重あたりの床反力の積分量では前傾位が最も値が大きく, 駆動時間が短時間で行えることが示唆された. 筋活動が後傾位にて大きく発揮されていても, その力が効率よく駆動力として現れず, 効率的に駆動できず, 後傾位が駆動しにくく感じるという主観的評価に現れているのではないかと考えられる
著者
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河津 愛
中通リハビリテーション病院
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保坂 幸毅
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻 , リハビリテーション科学領域作業療法学分野(中通リハビリテーション病院 )
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金城 正治
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻,作業療法学講座
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保坂 幸毅
中通リハビリテーション病院
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金城 正治
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻 作業療法学講座
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金城 正治
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻
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