三陸上空の地球磁場による宇宙線切断運動量(その2)(大気球研究報告)
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概要
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気球搭載機器によって,大気上層で宇宙線に関する観測を行なう時に,宇宙線の到来方向によって,地球磁場による切断運動量(geomagnetic cut-off rididity)がどう変化するかを知っている必要がある.特に積分的な宇宙線強度や,一次宇宙線のrigidity分布を比較したり,東西効果を利用してrigidityを求めるという様な場合には,可成り正確な知識を必要とする.この目的のために,1981年の「大気球特集号」に井上葵・和田雅美・近藤一郎の共著で,「三陸上空の地球磁場による宇宙線切断運動量」と題する報告[1]を掲載した.この時は,宇宙線の地球磁場内での軌道の計算は,大型計算機で行っても可成りの時間を要するため,必要最小限の計算から結果を求めた.最近のCPUの性能向上により,Personal ComputerでもCPU Clockが1-3GHzという高速な計算性能を持つ様になった.そこで,前回も若干の推定を行った地球磁場の経年変化の影響を含め,やや詳しい計算を行ったので,その結果を報告する.
- 宇宙航空研究開発機構の論文