Foxfire教員研修プログラムの構造と特徴ー米国ジョージア州Foxfireセンターにおける夏季研修コースの参与観察からー
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概要
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初等・中等教育における代表的なオーラル・ヒストリー・プロジェクトとされるFoxfireプロジェクトの理念や方法は、これを模倣しようとした教員集団によって、次第に「Foxfireアプローチ」として体系化されていった。Foxfireアプローチとは、具体的には「コア・プラクティス」(Core Practices)と呼ばれる10のテーゼ(原則)によって定義された授業哲学である。本稿では、Foxfireアプローチを習得するための教員研修プログラムの実相を、参与観察によって明らかにした。具体的には、米国ジョージア州Foxfireセンターにおける2009年7月の夏季研修コースに焦点をあて、Foxfireアプローチを習得するための教員研修プログラムの構造と特徴を解明した。結論として、この教員研修プログラムが、第1に「Foxfireアプローチに枠づけられた授業を通して、Foxfireアプローチについて学ぶ」という構造のなかで展開されていること。そして第2に、研修における議論の枠組みとして、デューイ(John Dewey)がいうところの「伝統的教育」と「進歩的教育」が設定されており、議論の方向性としては両者の止揚を目指していることを指摘した。また、プログラムの特徴としては、(1)反省的・メタ的志向、(2)実践的・応用的志向、(3)リテラシー育成プログラムの活用の3点を有することを明らかにした。
- 2009-12-28