我等が、今考察の翅をかつて、我が原始古代の眞只中に飛込んで行くならば、散在せる諸部落が、夫々その團體共同の神なる不絶浄火を保持して、之を火座(ホクラ)なる特別な聖座に守り、その部落國家の首長、或は之に次ぐ高貴者が、その司裁にあたり、この不斷の神火が常時の信仰生活、社會生活と密接不可離の関係に立てるか知る。
慶應義塾大學文學部