ラット足関節不動化による活動制限は痛みを促進する
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概要
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【目的】不動状態に伴う痛みは,疾患特異的なものだけでなく,不動化で引き起こされた可能性がある。そこで,ギプス固定による不動化モデルラットについて疼痛行動評価を行うとともに,活動量を調べた。【方法】慢性絞扼ラットの両側後肢をギプス固定したCCI固定群,一側後肢を固定した片肢固定群,両側後肢を固定した両肢固定群,無処置のコントロール(CON)群に分け,疼痛行動,ROM制限,筋萎縮を調べた。また,片肢固定群,両肢固定群,CON群の活動量を調べた。【結果】アロディニア・痛覚過敏がCCI固定群,両肢固定群,片肢固定群の順に発生した。ROM制限,筋萎縮は固定群間で有意な差はなかった。活動量は両肢固定群,片肢固定群の順に有意に少なかった。【結論】固定群全てで痛みが生じたことから不動化は痛みを引き起こすと考えられた。また,活動量の少ない群に痛みの発生が早く認められたことから全身活動量も痛みの発生に影響することがわかった。
- 2009-10-20
著者
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肥田 朋子
名古屋学院大学リハビリテーション学部理学療法学科
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山本 綾
大阪府済生会吹田病院リハビリテーション科:名古屋大学医学部保健学科理学療法学専攻
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古島 泰子
岩倉病院リハビリテーションセンター
-
長谷川 多美子
上飯田リハビリテーション病院リハビリテーション科
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古島 泰子
岩倉病院リハビリテーションセンター:名古屋大学医学部保健学科理学療法学専攻
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肥田 朋子
名古屋大学医学部保健学科
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長谷川 多美子
上飯田リハビリテーション病院リハビリテーション科:名古屋大学医学部保健学科理学療法学専攻
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