剛節ラーメンの解法に於ける適合條件について
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概要
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不靜定ラーメンの解法に於いて最も理論的に完全な發展をとげたものはヱネルギー法である。然しながら此の方法は不靜定の次數の低いラーメンに對してのみその威力を發揮するものであつて、高次の不靜定ラーメンに對してはその實用價値は殆んど認める事が出來ない。此の意昧に於いて數學的彈性學の方法に從つて展開された所謂撓角法、4曲能率法の出現はけだし學會の驚異であったと同時に吾々を益するところ尠からざるものがあつたのは當然である。現在行はれて居る撓角法、及び4曲能率法の基く假定從つてその特長となるものは次の2項である。1.部材は節點に於いて互に剛に結合される。2.直線状をなす部材に對してはその變形後に於ける材長の變化を無視する。此の2個の假定は何れも解法に使用される3個の條件1.力の釣合條件2.彈性條件3.適合條件(ラーメンの變形に關する法則)の内の適合條件を簡便にするに役立つものである事は吾々のよく知るところである。然るに此の假定を以つてしても、尚ほ不規則なラーメン(矩形ラーメン以外のものを指す)に對しては適合條件の導き方が相當困難であつて、唯それ丈の理由を以つて、此の數學的彈性學の方法に從つた解法が矩形ラーメンの解法以外にあまり利用せられなかつたように著者には思はれた。本論文は此の適合條件に對し、Kinematische Theorieに從つた直角變位圖を利用する方法をのべ、之に關聯して力の釣合條件としての剪力方程式(層方程式に相當するもの)の誘導に多少の工夫を加へたものである。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1934-04-15