交流電界下の位相分解PEA手法によるXLPEの空間電荷分布測定(2007年度論文奨励賞受賞論文)
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概要
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従来直流電界下で用いられていたパルス静電応力法(PEA法)を改良し,交流電界下の固体絶縁体における空間電荷測定を行うため,新たに位相分解PEA法を開発した.この手法では任意の位相で幅の狭い(5ns)電気パルスを印加することで交流電界下での空間電荷分布を把握することができる.実験では印加電波形と電気パルスを精密に同期させ,0°から360°まで15°間隔で空間電荷分布を得た.2台の任意波形発生装置から出力される「印加電圧波形」と「電気パルス」のタイミングはLabVIEWで開発したプログラムで制御した.このように,位相分解PEA法により交流電界下における空間電荷の動的な特性を得る.今回50mHzから商用周波数である50Hzにおいて平等電界下での架橋ポリエチレン(XLPE)の空間電荷分布を評価した.測定を行ったほとんどすべての位相において,50Hzに比べ50mHzで多くの電荷注入が確認された.さらに50mHzを1波形のみ印加した時に検出された電荷量が,50Hzを1000波形印加した時よりも多いことが確認された.また印加電圧波形が低周波になるほど1周期当たりの注入電荷量が増加することも確認した.50mHzを印加した場合にはXLPE中の局所電界が印加電界と同期することも確認した.
- 2009-10-30
著者
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藤田 彩乃
沼津工業高等専門学校
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Bulinski Alexander
Institute For National Measurement Standards National Research Council Canada
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藤田 彩乃
沼津工業高等専門学校専攻科
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BAMJI Soli
Institute for National Measurement Standards, National Research Council Canada
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ABOU DAKKA
Institute for National Measurement Standards, National Research Council Canada
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Bamji Soli
Institute For National Measurement Standards National Research Council Canada
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Abou Dakka
Institute For National Measurement Standards National Research Council Canada
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