慢性心不全で通院する後期高齢患者のセルフケアの課題と看護援助
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概要
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本研究では,後期高齢慢性心不全患者がセルフケアを実行するためのセルフケアの課題を導き出すとともに,課題に即した看護アプローチ方法を明らかにすることを目的とした.21名における後期高齢慢性心不全患者のセルフケアの課題は44課題であった.多くが普遍的セルフケアの要素に含まれる食事に関する課題であり,コレステロール値の上昇や体重の増加など病状を意識した食材の選択や食事量の調整の困難さがあることなどの特徴に加え,高齢者の特性としての身体機能の低下から生じる歯の喪失や噛み合わせの悪さなどが関連づけられた.後期高齢慢性心不全患者への看護援助から,<病気の理解を促すアプローチ><身体症状の改善を促すアプローチ><加減の見計りを促すアプローチ><警鐘を促すアプローチ><これまでの健康管理を支持するアプローチ>という生活の調整を基盤とした5つのアプローチ方法が取り出された.今後は,さらにデータ収集と分析を重ね,セルフケア能力を促進する要素としてソーシャルサポートとの関連性や看護アプローチの効果を実証するための評価方法を検討していく必要があると考える.
- 2008-11-01