ともに暮らす高齢者の認知症発症に伴う主介護者の生活再編成
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概要
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本研究は,在宅でともに暮らす高齢者の認知症発症を機に,主介護者が生活を再編成させていくために必要なものは何かを明らかにし,援助的視点を得ることを目的とするものである.認知症高齢者5名と,彼らが認知症を患う以前から同居している主介護者5名を対象に,参加観察とインタビューによりデータを収集し,質的・帰納的研究法を用いて分析を行った.その結果,主介護者は,高齢者が認知症を発症する前よりもっている〔介護の備え〕を基盤とし,〔実践しながら介護力をつける〕こと,〔情を深くする〕こと,〔新たな意識をもつ〕ことを繰り返しながら,生活を緊張の少ない自然なものへと導いていたことが得られた.看護の援助的視点としては,高齢者に対する情緒的なつながりの把握,介護技術の提供とその獲得に伴う副次的なものの共有,認知症の重度化に応じた新たな生活再編成の促進,認知症に関する正しい知識の提供と理解度の確認が得られた.
- 日本老年看護学会の論文
- 2005-03-15
著者
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