高齢者の歯に関する認識と生活への影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,わが国の高齢者の歯が生活にどのように影響しているのか明らかにし,高齢者の口腔ケアの課題について検討することである.鳥取県の3つの老人福祉施設でデイケアを利用する65歳以上の高齢者126名を対象に,質問紙Oral Health Impact Profile(OHIP)を用いて調査を行った.わが国の高齢者は,OHIPの7下位尺度のうち「身体的苦痛」が最も高率であった.これはオーストラリア,米国,カナダの先行研究における「機能的制限」が最も高率であった結果と異なっていた.また,他国に比べ歯が生活に及ぼす影響は全体的に強く,無菌者も多数であった.本研究によりわが国の高齢者の歯が生活に及ぼす影響の中心は,食べにくさや痛みであることが示唆された.今後歯の持つ機能としての「味わう,話す」ということ,さらに審美性,対人交流に影響を及ぼすなどの社会的要素に対する意識が高まるような健康教育の必要性も考えられた.
- 2002-11-01
著者
-
平井 由佳
鳥取大学医学部保健学科
-
平松 喜美子
鳥取大学医療技術短期大学部
-
平井 由佳
鳥取大学医学部保健学科看護学専攻
-
平井 由佳
鳥取大学 医学部 保健学科
-
平松 喜美子
東京医療保健大学 医療保健学部看護学科
-
長澤 順子
鳥取大学医学部保健学科
-
松尾 ミヨ子
鳥取大学医学部保健学科
関連論文
- 高齢者の歯に関する認識と生活への影響
- Salacia reticulata(Kotala himbutu)水抽出物とサイクロデキストリン混合物による血糖値,血中インスリン値上昇抑制効果および過量摂取における血糖値変化と腹部状態へおよぼす作用
- ヘルスアセスメント実践能力を培う「看護学ゼミナール」 : 学生の授業評価からみた3年間の方法構築とその成果
- 下肢末梢循環不全に対する症状緩和の技法弾力包帯法とハドマー法の比較
- 高齢糖尿病患者における複合運動の基礎代謝量におよぼす影響
- 中高年女性を対象とした筋肉量・筋力を強化するための複合運動の効果
- 2型糖尿病患者における上下肢筋肉量と筋力
- 糖尿病患者を対象とした複合運動による糖・脂質代謝などの経時的動向
- 閉経後の糖尿病患者の筋肉量と骨量の関係
- タイプ行動特性と職業ストレスおよび養育環境の関連性
- 慢性心不全でポンプ機能障害のある患者の看護;事例展開 (看護過程レクチャー 循環機能障害のある患者の看護)
- 慢性心不全でポンプ機能障害のある患者の看護;アセスメントの視点と看護計画 (看護過程レクチャー 循環機能障害のある患者の看護)
- 終末期がん患者の在宅医療を可能にするための地域医療と福祉のシステム構築
- 終末期がん患者へのがん告知を拒否した家族の体験
- 癌と診断された患者を支える家族のQOL
- α-結合ガラクトオリゴ糖の長期摂取による腹部状態および血液・尿性状への影響
- 青年期を対象とした温泉水素水飲用の安全性
- 高齢在宅療養者の口腔内微生物 : 経口摂取群と非経口摂取群における検討