痴呆性高齢者の食事行動に関するアセスメントと効果的介入
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概要
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本研究は,痴呆性高齢者の食事行動に関するアセスメントの視点と効果的介入方法を既存研究に基づき検討・作成し,その有効性を介入を通して検証することを目的とした.アセスメントの7つの視点「食事の開始」「食事への注意」「食物の認識」「道具の使用」「口への取り込み」「咀嚼・嚥下」「食事の終了」を作成し,施設に入所している4名の中等度から重度のアルツハイマー型痴呆高齢者に対して介入を行った結果,以下の知見を得た.1)アセスメントの7つの視点にそった介入では,対象者に自立への変化が見られた.2)援助者は対象者の食事への注意の低下を認識し,援助者自身の声や態度が食事への注意をそらす場合があることを自覚し,食事への注意を促すような介入をすることが重要である.3)「食事の開始」や「道具の使用」では,言語的指示,ジェスチャー,身体的援助と段階的に介入することや,複雑だと混乱しやすい場合は単純化することが特に有効な援助になる.4)1人の援助者が継続的にかかわり,痴呆性高齢者と援助者との相互作用上の調整の期間を十分に確保することが必要である.
- 日本老年看護学会の論文
- 2002-11-01