レビー小体型痴呆疾患患者に対するケア技術(実践報告)
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概要
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兵庫県立高齢者脳機能研究センターには,1993年の開院以来,レビー小体型痴呆患者(Dementia with Lewy bodies,以下DLBと称す)約60名およびアルツハイマー型痴呆患者約750名が診断のための検査目的で入院している.これらの患者の看護を通しDLBの患者はアルツハイマー型痴呆の患者に比し,変動性のある認知機能障害,幻視,パーキンソン症状などの特徴的な症状をもつために,(1)転倒,転落を起こしやすい,(2)精神症状による異常行動により周囲の人とトラブルを起こしやすい,(3)日常生活活動が自ら行えないなどの問題が生じ,その対応には特有のケア技術が必要であることがわかった.これらには(1)看護者によるDLBの特徴的な症状の理解,(2)入院前生活を考慮した環境調整と安全対策,(3)問題行動や日常生活活動への対応法の工夫などがあげられる.DLBはアルツハイマー型痴呆に次いで多い変性疾患であるといわれており,今後,看護者によるこれらのDLBの特徴的症状の認識の向上,およびこれらにより生じる問題行動へのケア技術の周知が望まれる.
- 日本老年看護学会の論文
- 1999-11-01