枯草菌のsigYオペロンの構成と発現
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概要
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枯草菌シグマ因子のECFファミリーの一つであるsigYオペロンの構成と発現について研究を行った。sigYオペロンは、6つ(sigY, yxlC, D, E, F, G)の遺伝子から構成され、窒素源飢餓条件により誘導された。その転写産物は、sigY遺伝子の31 bp上流からyxlHまでの4.2 kpであった。sigYオペロンの発現は、σ^Yにより正の制御を受けていた。プライマー伸長法による転写開始点の同定とsigYプロモーター領域の欠失解析により、sigYプロモーターの"-10"、"-35"領域は、それぞれ"CGTC"、"TGAACG"であった。後者の配列は、σ^W, σ^X, σ^Mが認識する-35領域配列とは区別された。sigYオペロンの転写は、YxlDにより負に制御された。このことは、YxlDが、アンチσ^Yであることを示唆した。sigY破壊は、窒素源飢餓条件下での胞子形成に影響を及ぼした。しかし、窒素源飢餓によるsigY誘導に、胞子形成は関与しなかった。sigYオペロンの構成と機能は、厳しい環境で生育する幾つかの微生物で、明確に保存されていた。