中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究
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概要
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本研究の目的は中学生の自己肯定感,他者肯定感と周囲からのソーシャルサポートとの関連を検討することであった。ソーシャルサポート内容として,直接的にストレスには焦点を当てないが結果的に援助的な効果をもたらす共行動的サポートに焦点を当て,サポート源は父親,母親,友人,教師の4者とし,中学生305名を対象に調査を行った。サポート源とサポート内容の2点から検討した結果(1)自他への肯定感の高い中学生の方が両親からのサポート得点が高いこと,(2)友人からのサポートは自己肯定感に関連していること,(3)教師からの道具的サポートにおいて,男子と女子では自己肯定感の高さによってサポート量の知覚に差があること,が明らかになった。全体として両親からのサポートの重要性と,サポート関係の性差が確認された。また教師以外のサポート源において自他への肯定感の高い中学生の方が共行動的サポートの得点が高く,親子間や友人間での共行動的サポートの有効性が示された。加えて新たに,父親による間接的なサポートの効果が示唆された。
- 2009-09-30