民国期上海における百貨店の誕生と都市文化
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概要
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1920〜40年代,上海の南京路には先施,永安,新新,大新公司という4つの大百貨店があった。麗華公司を含めた百貨店5社の36年の資本総額は1350万元,営業総額は2674万元で,上海の小売業者約700軒の資本総額300万元,営業総額2000万元と比べても高い比重を占め,高級品販売やバーゲンセールなどを通して新興の資本家層や都市中間層の都市生活と繋がり,消費文化を拡げていった。また百貨店は巨大な施設をもち,商品販売のほかに,遊芸場,ホテル,ダンスホール,高級浴室,ローラースケート場など多彩な娯楽事業を兼営し,中国人社会のニーズに密着した新しい都市文化「モダン上海」を創造していった。本稿は上海における百貨店の商業,娯楽事業を具体的に検証し,それが「モダン上海」の牽引車であったことを解明する。
- 2009-10-25