消費電力を低減するための残差逐次検定法の構成(画像・映像処理)
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概要
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動き検出に要する演算量を削減するための手法の一つに残差逐次検定法がある.本論文では,残差逐次検定法の消費電力を低減するための新たな構成法を提案する.残差逐次検定法の従来の構成法では,差分絶対値の部分和としきい値との比較結果に従って,評価値である差分絶対値和の計算を打ち切る.これに対して,本構成法では,しきい値から差分絶対値を順次減算することにより得られる値に従って,評価値の計算を打ち切る.そのため,本構成法は,評価値計算打切り検定のための処理が不要である.また,本構成法は,差分絶対値が減算されるたびに評価値計算打切り検定を行うことができるため,一定の頻度で打切り検定を行う従来の構成法よりも早い段階で打切りを実施することができる.計算機実験によれば,本構成法における加算器の稼動回数は,従来の構成法における加算器の稼動回数の86〜91%程度であり,本構成法は,消費電力の低減に寄与することができる.
- 2006-06-01