二つの信号源を用いた差動測定方式の有効性の確認(測定技術関連,<特集>マイクロ波・ミリ波平面回路とその関連技術論文)
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概要
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近年,信号の高速化,低電圧化の要求に伴い,携帯電話に使用されるRFデバイスや高速ディジタル伝送路では,広帯域における差動での信号伝送方式が急速に採用されつつある.このような差動デバイスを測定する場合,従来の測定器は単一信号源の不平衡測定専用であるため,デバイスが線形であることを前提として,各ポートから順番に信号を入力したときの応答を測定し,そのデータを重ねの理で演算処理することが広く行われている.しかし,この方法は,デバイスに実際に差動信号を入力しないため,非線形領域では正しい測定とはならない.そこで,我々は,ネットワークアナライザをベースとして,デバイスに差動信号を入力することのできる差動測定システムを開発した.これにより,非線形領域でも,Sパラメータ等のデバイス特性を評価することが可能となった.また,本システムは,差動信号源の同相信号と逆相信号間の振幅や位相のバランスを自由に変化させることが可能であるため,差動デバイスについて様々な解析を行うことができるようになった.本論文では,この差動測定システムの原理と測定例について説明する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2006-05-01