結合モーメントを用いた搬送波周波数オフセットのあるディジタル変調方式の識別(無線通信技術)

概要

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適応変調方式は通信路環境に応じて最適な変調方式を選択して採用するため,高効率な通信を可能とする.しかし,受信機で変調方式の識別を誤ると復調後のデータにバースト誤りが生じるので,正確に変調方式を識別する必要がある.また,受信機において変調方式の識別前に搬送波再生を行うことが容易ではないことから,一般に,受信信号は搬送波周波数オフセットを伴い信号点が時間とともに回転する.本論文では,筆者らのグループが提案した受信信号の振幅と位相の結合モーメントを用いる変調方式識別法において,搬送波周波数オフセット存在下での識別特性を解析するとともに,搬送波周波数オフセットに効果的な識別法を新たに提案する.提案方法では,測定モーメントの標本値が搬送波周波数オフセットによって時間とともに変化する性質を利用して変調方式を識別する.なお,標本値の変化が小さい場合には,信号点をシフトすることで識別特性の向上を図る.また,提案方法の評価のため解析的に識別誤り率を求める.振幅と位相の結合モーメントを初等関数の級数で表現した上で,判定変数の確率密度関数を導出し,これを誤り領域で積分して識別誤り率を得ている.識別誤り率の数値計算結果より,提案手法が搬送波周波数オフセットが存在する場合に有効な手法であることを明らかにする.
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2006-10-01

結合モーメントを用いた搬送波周波数オフセットのあるディジタル変調方式の識別(無線通信技術)

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