スイッチング電源における配線損失の周波数特性とパルス損失予測法に関する研究(電子通信エネルギー)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
地球温暖化,データセンタ等の消費電力増大に呼応して,省エネルギー化,電源回路の損失削減,効率向上が求められている.電源の損失削減のために,同期整流技術やゼロ電圧スイッチング技術などが開発された結果,電源の損失はスイッチ素子,トランス,コイル,配線などの抵抗損失が大部分を占める状況にある.本論文では,配線の抵抗の周波数特性を測定し,新たにパルス損失係数を用いてスイッチング電源中の損失計算の精度を向上する方法を提案する.配線の抵抗は,表皮効果や近接効果により周波数特性をもつが,スイッチング電源ではあまり注目されてこなかった.今回,実測により顕著な周波数特性をもち,構造によって異なることを確認した.また新たに,任意の周波数特性をもつ抵抗素子の,任意の周波数と立上り時間のパルス電流波形に対するパルス損失を計算する陽解法の式を導出した.この式を用いた結果,高速スイッチング電源では配線の抵抗の周波数特性は損失計算に有意な影響を与え,これを考慮して初めて精度良い損失の計算が可能なことが判明した.この手法により,配線構造の定量的な優劣比較が迅速かつ容易に行えるとともに,スイッチング電源中の損失の予測精度の向上が図れる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2008-12-01
著者
関連論文
- サージ・エネルギー・リサイクル・コンバータ付高効率フロントエンド電源(スイッチング電源,家庭向け情報通信機器のエネルギー技術,一般)
- スイッチング電源におけるMOSFETのオン抵抗の周波数特性とパルス損失計算の研究
- スイッチング電源における配線損失の周波数特性とパルス損失予測法に関する研究(電子通信エネルギー)
- サージ・エネルギー・リサイクル・コンバータ付高効率フロントエンド電源
- サージ・エネルギー再利用方式を適用したフロントエンド電源の総合効率向上の検討
- サージ・エネルギー再利用方式を適用したフロントエンド電源の総合効率向上の検討