企業の同調行動とネットワーク分析
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概要
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本論文は, 日本企業に特徴的にみられると指摘される企業の同調的行動について, その分析枠組みを整理し, 新たな分析視角としてのネットワーク分析の有効性を検討したものである。 まず, 同調行動の説明理論として経済学的アプローチである寡占的反応論ならびに群衆行動論(ペイオフ外部性モデル, 名声モデル, 情報カスケードモデル)と, 社会学的アプローチである組織同型化理論(競争的同型化, 制度的同型化:強制的同型化, 模倣的同型化, 規範的同型化)とを比較し, 双方が補完的であることを明らかにした。次に, 同調行動に対する新しいアプローチとしてのネットワーク分析を検討した。ネットワーク中心性, 構造同値・構造的空隙・構造的拘束, そして, 普及プロセスにみられる同調行動に関する代表的研究を概観し, 同調行動の説明ツールとしてそれらの関連性と有効性を指摘した。最後に, ネットワーク分析の方法論的特徴と限界ならびに課題を指摘した。
- 2009-12-10
著者
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