5.ヒートポンプ式真空濃縮装置(C.乾燥装置について)
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概要
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1.目的 果汁の濃縮は品質の点から低温処理が望ましく真空濃縮が行われて居るが、従来のものは20℃〜42℃程度の液温で操作されて居る為、Frozen Concentrated Juice等を製造する場合更に低温で濃縮する必要があり、20℃以下で操作する事を考えた。一方温度を下げれば下げる程真空度も高くしなけれぱならず運転経費が高くつく傾向がある為二重効用缶とし、フレオン冷凍機を使用したヒートポンプ方式を採用した。2.装置の概要 本装置は処理液温12℃、操作真空度8 Torrにて行った為メカニカルポンプを使用する場合は表面凝縮器で蒸発水分を凝縮させる目的で冷却用冷媒を必要とするし、ステイームエゼクターで排気する場合は多量のステイームを必要とする。運転経費を少くする為ステイームの使用をさけヒートポンプ方式を採用した。第1図に装置の概要を示す如く、第1蒸発缶から蒸発した水蒸気は第2蒸発缶用加熱塔の熱源となり、第2蒸発缶から蒸発した水分は凝縮器にて凝縮排出される。此の凝縮器冷却用に冷凍機の冷媒(フレオン12)を使用し此処で熱吸収蒸発した冷媒は圧縮機で断熱圧縮され冷却凝縮を第1蒸発缶用過熱塔で行わせている。加熱用熱源は冷凍機の冷凍サイクルを利用した為不要なわけである。此の冷凍サイクルを第2図に示す。此の装置を運転する場合、加熱塔と凝縮器及び冷凍機で加えられる馬力の間で熱収支が少しでも狂うと正常な運転が出来なくなる。従って此の様な型式の装置を設計する場合、気温、冷却水温、原果汁の濃度等の変化に対し如何にして熱バランスをとるかを充分考えなければならない。第1表に此の装置で10°Brixのオレンヂジュースを50°Brixに濃縮した場合のユーテイリテイー及び運転経費を示す。此の様に他の型式に比し少い経費で製造出来、且低温処理が可能である為従来の焦げ臭も無く品質も向上した。第1表[table]第1図[figure][graph]
- 低温生物工学会の論文
- 1962-04-07
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