木材流通コストの分析 : 追跡事例調査をふまえて(自由論題論文,1995年秋季大会)
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概要
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今後の国産材供給において主流になるであろう並材に関して,その流通コストの縮減の可能性を探るために,木材(素材及び製材品)の流通コストに関する追跡調査を行った。調査は,岡山県と和歌山県の二つの製材工場を起点として,スギ柱角を3製品,米ツガ柱角を1製品(すべて10.5cm角x3m)の計4つの製品に対して聞き取りによって行った。この調査結果を基にして,国産材製品と外材製品の各流通段階におけるコストの分析及び流通経路の比較を行った。そして分析の結果,流通コストの縮減を可能にする流通として,卸売業者(問屋)を介さない流通と製品市場を経由しない流通の二つの流通が考えられた。この二つの流通が成立する為の条件は,製品の均質さと量的なまとまりである。今後,国産材の多くが並材として大量に流通する可能性があることを考慮すれば,この二つの条件を満たすことは可能である。
- 林業経済学会の論文