入会集団の地縁団体法人化に関する長野県内の動向(自由論題論文,1995年秋季大会)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
地縁団体の法人化を認める地方自治法260条の2が平成3年に創設され,長野県内ではその数が急速にのびている。その中で,形式上の入会地盤登記名義と実質的入会権者が乖離する入会集団では,登記名義の混乱を解消するために入会林野整備事業を導入せずに地縁法人化を指向することの是非が問題化している。一方,林野庁では,近代化事業の進捗率が低迷していることの打開策を検討し始めている。しかし,実際に入会集団を母体とする地縁法人が存在するにも関わらず,こうした地縁法人と入会集団との関係についての調査研究はなされていないのが現状である。本報告は,このような背景に基づき,長野県内において地縁法人と入会集団とが重複する事例を抽出し,関係市町村および当該団体代表者等への聞き取り調査により実態例を把握した。その結果,当該入会集団は入会権の解消には消極的であり,地縁法人を指向して入会林野の地盤登記名義を整理したい意向が伺われた。今後の入会林野の活用は,このような入会集団の意向を鑑みて,現在までの入会林野整備事業にはない段階的な施策が必要である。
- 林業経済学会の論文
著者
関連論文
- 入会集団の地縁団体法人化に関する長野県内の動向(自由論題論文,1995年秋季大会)
- 論文24 入会林野の残存過程と入会権の解体に関する研究 : 長野県駒ケ根市中山区の入会地を事例として(1993年秋季大会 自由論題論文)