森林組合事業の現段階と組合の類型 : 北海道を事例として(自由論題論文,1994年秋季大会)
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概要
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現在北海道の森林組合事業は停滞期にあり,組合は国際化する木材市場への対応と合併による広域化という二つの課題に直面している。しかし現実は機能強化の進展がみられる一方で組合間には大きな格差が存在している。そこで格差の地域的要因の性質を明らかにするために類型分けを行って分析した。地域的要因としては森林の所有構造,都市化などの産業構造の変化,資源の成熟段階等がある。所有構造・産業構造によって規定される場合は資源が成熟化しても事業展開が難しい。資源が未成熟で加入面積が大きい場合は現在でも森林造成事業を大規模に行っている。この類型は資源の成熟化とともに間伐材の販売・林産事業に事業の重点が移行し格差が克服されていく。他方,加工事業の展開は資源の成熟化によるものではなく,素材生産型から段階的に移行するものとはいえない。今後の発展方向としては,画一的な広域合併ではなく,資源の脆弱さの克服や林業生産部門だけでなく多様な事業の実行,資本的機能の充実が課題となる。特に加工型の場合は停滞期からの脱出のために道内・地域市場との結びつきを強める方向に事業を転換していくことが求められる。
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