2. 培養細胞の凍結保存(セミナー「動物細胞の保存」)
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概要
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培養細胞を扱う研究では,細胞を安全に長期間凍結保存することが要求される.すなわち,しばしば生ずる微生物による汚染,または継代に伴なう細胞の加令化を避けることなどである.細胞の凍結にはふつう緩徐な冷却が必要とされ,解凍処理は急速になされねばならないといわれている.この目的のために種々の機器類が市販されているが,通常の実験室的規模で実施するために簡便な凍結保存法の実際について述べる.いままでに凍結保存した細胞種は,KB, FL, HeLa-S_3, L_<929>, VERO, BHK-21-Cl_<13>, MDCK, L_<1210>l, FM_3A,などの継代株細胞,ヒト,ラット,マウスなどの胎児の初代または数代継代した細胞,鶏胚初代培養細胞,ヒト末梢血リンパ球,また動物実験腫瘍としてマウス,ラットの腹水,固型腫瘍の数種類など多種多様にわたるが,ここではHeLa-S_3株,および鶏胚初代培養細胞について述べる.
- 低温生物工学会の論文
- 1983-08-25