文系大学院におけるプロジェクト型インターンシップ教育の有効性 : 先進的事例であるコロンビア大学と本邦大学のケーススタディーによる比較の視点から(I 論文・研究の部)
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概要
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コロンビア大学大学院School of International and Public Affairs(以下コロンビア大学SIPAと略す)は、およそ20年前からインターンシップを組み込んだワークショップにより、毎年100名程度の規模で、長期プロジェクト型学習(Project Based Learning、以下PBL)方式の高度専門教育を実践し、国際的に評価される実績を積み重ねている。一方、我が国の文系大学院でもここ数年来、PBL型インターンシップを導入する例が散見されるようになった。その文系高等教育における有効性について、実態を比較した結果、いくつかの共通の概念や原理を用いて説明できそうなことがわかった。すなわち、ワークショップにおいて学生は、ファシリテーターのもと、先ず研究課題解決に向けて活動の「自律性」を発揮できるという教育手法が確立していることである。学生は、個人ならびにチームとしての目標到達度という「競争原理」の作用する中で、チーム運営、提携先折衝などの「チームワーク力」が学生間の相互評価や教員の最終評価に結びつくことを認識し行動するので、チームの「集団凝集性」を高めて、「シナジー効果」を増幅させる。その結果、学生は、個人では不可能な高い目標を達成し、プロジェクト手法修得という高度な教育効果を得られる。これは、PBL型インターンシップが、実社会で必要とされるチームを活用して前に踏み出す力、考えぬく力などを育む特性がある結果とみられ、高度な専門能力を育成する手法として、文系大学院においても十分機能することを示唆している。
- 2009-07-30
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