前線分布でみた日本の季節進行とその近年における傾向
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
29年間(1979〜2007年)の第19〜67半旬(4/1-12/1)における日本付近の半旬前線存在頻度分布を用いて,8つの前線分布型を定め,日本の季節進行の平均的な特徴と近年の傾向を調査した.各前線分布型は出現の極大時期が互いに分離しており,特に梅雨期など前線が頻出する季節を細かく表すことができる.そして,前線が頻出する時期では,季節進行に伴った前線帯の移動に対応する降水特性の変化がみられた.また,1990年代後半以降は,(1)晩春の一時的な前線帯の北上はみられず,(2)初夏から梅雨期前半の季節進行は2半旬ほど早まり,(3)梅雨期後半は対馬から三陸沖にかけて前線の出現頻度が高くなり,(4)初秋には梅雨期後半と類似した雨期がみられ,(5)秋雨の始まりは2〜3半旬ほど遅れる,などの傾向が明らかとなった.このうち,(3)と(4)は日本の多くの地域の降水特性に変化をもたらすため,今後,特に注意して監視していく必要がある.
- 2009-09-30
著者
関連論文
- 前線分布でみた日本の季節進行とその近年における傾向
- 梅雨期および秋雨期の日本付近における前線分布の東西変動について
- 英文GIS教科書における語の共起関係に基づいた語句の分類
- P183 夏季モンスーン期の日本付近にみられる前線活動の季節推移