宗教と倫理 : ドイツ観念論思想を手掛かりとして(<特集>宗教と倫理)
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概要
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宗教が社会に受け入れられている限り、その宗教は独自の営みをその社会の中で続けることができる。けれども、宗教がひとたび社会の秩序や規範を批判したり犯したりするようになると、宗教と社会との間に軋轢が生じる。その軋轢は、宗教上の振る舞い方と世俗社会のなかで考えられているあるべき振る舞い方とが齟齬することに起因する。いうなれば、宗教的善悪と道徳的善悪との乖離とその優先順位の付け方に起因する問題である。その解決には、宗教的善悪と道徳的善悪のいずれか一方を優先させる、あるいは両者を一致させる必要がある。ドイツ観念論思想に連なる思想家おいて、これらの問題がいかに考えられているかを、カント、フィヒテそしてシェリングの思索から振り返り、三者三様のその解決法を提示することが本論の意図である。
- 2009-09-30