簡易顕微分光計による子宮癌細胞診自動化の研究
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概要
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子宮癌細胞診において,悪性細胞の特長を,核異型,核多型性,核縁肥厚,核多染性,核質粗大顆粒,核細胞質比の増加などの諸点を注目して我々は診断を下している。しかし,これらの所見はしばしば主観的に判定され易いので,細胞診を客観化し細胞診の自動化につながる方法について研究した。従来用いられていた顕微分光計を細胞診用に簡易化し,良性悪性の核が重複する16〜25μの範囲の核径に合わせて10段階のスポットを作製し,これを問題の細胞核に外接させて核ヘマトキシリン陽性物質総量が一度に測定出来るよう工夫した。本器械を用いて診断に供すると,一定以上の大型濃染核は良性スミアにはみられず,癌にのみ出現する事実により客観的子宮癌細胞診に有効な成績を得た。396例中の盲試験の結果,良性例では95.9%,悪性例では96.4%の正診率を得た。さらに,細胞の形態,分化の程度,変性度などの所見と核ヘマトキシリン陽性物質総量の関係を,良性・悪性例について比較検討し,細胞診断上有意な結果を得た。
- 千葉大学の論文
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