各種制癌剤に対する人白血病細胞の試験管内感受性試験の研究
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概要
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癌細胞に対する感受性試験法の一つである放射性トレーサー摂取量を利用するOettgenらの方法を検討し,つぎの点を改良し,多種薬剤の感受性を同時に調べ得る簡便かつ正確な方法を見出し得た。すなわち, 1)白血球分離法を比重法から3%デキストラン凝集法に変えることにより,白血球収集率,赤血球除去率の増加をみた。2)細胞分散時にピペッティングからマグネチックスターラーを利用した分散法に変え,分配細胞数均一化を得た。3)仔牛血清濃度を15%から20%に変え,至適培養条件を得た。4) 5%冷トリクロル酢酸作用時間は5分以上必要であることがわかった。つぎに上記改良法を用い, 20例の各種白血病患者から分離した白血病細胞の制癌剤感受性試験を施行し,以下の結果を得た。1) L-アスパラギン要求性とL-アスパラギナーゼ感受性試験において,両者陽性を示す有効例では臨床成績と100%一致する。有効例に緩解3.5月後に施した再試験で,判定は両者陰性すなわち無効となり,耐性株出現が予想され得た。2)その他17種制癌剤の感受性試験では,著者の判定規準に従えば臨床成績との一致率は86%と高値を示した。薬剤別感受性は個人差が大きいが,大別すれば全薬剤に無効(5%),大部分の薬剤に有効(60%),特定薬剤のみに有効(35%)の3群に別れた。3)併用療法に対する感受性を4剤混合液(VAMP, DAMP)で試験したが,単独にて感受性の高い薬剤同志の併用にて効果増強を示した。また,低濃度で効果増強は大きかった。著者の試験法で無効と判定された薬剤が臨床的に有効であった例は皆無であった。
著者
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