サイロカルチトニンの臨床的研究
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概要
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サイロカルチトニンは, embryoのultimobranchial bodyに由来する甲状腺のC細胞から分泌されるが,甲状腺組織が完全または不完全に欠損している甲状腺欠損性クレチニズムで,サイロカルチトニンの欠乏が存在するかどうかは不明である。そこで甲状腺ホルモンによる代償療法を行なっている甲状腺欠損性クレチニズム18例,甲状腺腫性クレチニズム5例および正常対照34例にカルシウム負荷試験を行ない,これら症例におけるカルシウム処理能を検討した。血清カルシウムは,カルシウム負荷後3分, 60分, 120分で測定した。甲状腺欠損性クレチニズムでは,正常対照に比してカルシウム負荷直後の血清カルシウム値の上昇は著しく,しかも負荷前値への回復にも時間を要した。しかし甲状腺腫性クレチニズムでは,正常対照と差がなかった。このことは甲状腺欠損性クレチニズムにサイロカルチトニンの欠乏があることを示唆する。しかしこれら甲状腺欠損性クレチニズムを甲状腺ホルモンで治療すると骨の成長発育は正常化するので,慢性のサイロカルチトニン欠乏は,骨の成長発育にはあまり影響を与えないと考えられる。
- 千葉大学の論文
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