Streptomyces luteoreticuli Katoh et Araiの菌学およびその生産する抗生物質mycomethoxin A, mycomethoxin Bに関する研究
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概要
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1. 1960年別府の土壌から新井によって分離された放線菌KS 2-74株の菌学的研究の結果,本菌をStreptomyces luteoreticuli Katoh et Araiのneotypeと同定した。2. 本菌の代謝産物である1-methoxyphenazine, 1, 6-dimethoxyphenazine,およびmethyl phenazine-1-carboxylateがミコバクテリアに対して抗菌活性を有することを明らかにした。3. 上記2.の結果を基礎としてS. luteoreticuliの産生するphenazine系代謝産物をさらに探索し, mp 150〜151°の黄色針状晶(IV),ならびにmp 187〜188°の橙黄色針状晶(V)を分離同定した。4. (IV)および(V)の抗菌作用を検索し, Mycobact. tuberculosis H37Rvならびにストレプトマイシン1000μg/ml耐性株を含むミコバクテリアに対して抗菌性を有することを認め, (IV)および(V)をmycomethoxin AおよびBと命名した。5. 上記の各天然phenazine化合物がいずれもミコバクテリアに対して抗菌活性を有することから,合成phenazine化合物の抗菌性を検索し,これらのうち主としてmethoxylate phenazine化合物がミコバクテリアに対して天然phenazine化合物と同様な抗菌活性を有することを明かにした。