痙性麻痺の脊髄機能に関する研究 : とくに運動ニューロンプール活動曲線を中心として(神経内科学的研究,<特集>脳と神経の研究VIII-脳と神経の障害と修復-)
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概要
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観血的療法を施行した,脊髄腫瘍,頸椎々間板症による痙性麻痺患者を対象として,運動ニューロンプール活動曲線を中心に筋電図学的検索を行ない,その術前,術後の臨床症状の経過と対比し,以下の結論を得た。1.S/D(閾下縁の広がりSと,発射帯Dの面積比)の推移を3つのPatternに分類することができた。I型:脊髄腫瘍に代表される型で,勾配の大きな山形の経過を呈するもの。II型:頸椎々間板症に代表される型で,一旦上昇を示すがピークは低く,その後おだやかに下降を示すもの。III型:上昇の傾向を示さず,下降の一途をたどるもの。2.S/Dは臨床症状の経過とかなりよく一致した推移を示す。すなわち筋力の回復と平行してS/Dは上昇し,膝蓋腱反射の正常化と平行して下降を示す。3.S/Dの推移と臨床症状の経過より,脊髄前柱細胞に対する上位中枢からの影響を知ることができた。4.病因論的にはI型,II型は脊髄の圧迫による変化が主体であり,III型には血行性因子が関与していることが考えられた。5.S/Dの推移のパタンの検討により,臨床的予後を知る手掛りを得ることができた。
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