熱電効果による脳局所血流の研究VI : 凍結,加熱障害について(実験的脳障害に関する研究,<特集>脳と神経の研究VIII-脳と神経の障害と修復-)
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概要
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クラーレ化,人工呼吸下のネコを用い大脳皮質の一部に凍結または加熱による障害をおこさせ,その際の障害の程度と脳局所血流動態との関連を,夏期・冬期に分けて観察した。本研究に用いられた実験条件の範囲内では,凍結は加熱に比して強い障害を生じさせ,血流レベルの低下,血圧の動揺ならびに薬物に対する反応性の減弱の度が強く,肉眼的にも病理組織学的にも著明な変化が認められた。加熱による障害は一般に程度が弱く,急性実験の時間内ですでに回復の兆をみせることが,血液レベル,反応性の面でみられるとともに,組織障害の像も少ないか,ときには認められないことがあった。夏季に行なわれた実験では,冬季のものと同一の条件下でも障害の程度が強く,冬季に夏季のものと同程度の障害を得るためには,約2倍の時間を要することが多かった。これらの障害時には,加熱ないしは凍結それ自体の組織に及ぼす直接作用のほかに,加えられた障害により,その周辺部に生ずる浮腫が重大な役割を果しているものと考えられる。
- 千葉大学の論文
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