骨髄性白血病の細胞学的・組織化学的研究
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概要
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(1)千葉大学および関連病院における過去45年間の骨髄性白血病症例195例(急性147例,慢性48例)を臨床統計学的,細胞学的および組織化学的に検索した。(2)急性骨髄性白血病54例のうち,平均胞体面積104μ^2以下,平均核胞体比0.85以上を示す症例では,中等量のCorticosteroidが有効であった。一方,胞体面積の大きいもの,核胞体比の小さいもの,核変形,胞体内顆粒出現率の高いものには,一般的に生存期間の短縮傾向がみられた。(3)好中球アルカリフォスファターゼは,急性骨髄性白血病では,高値,平常値,低値の3群に分れ,低値例でも,治療による骨髄低形成時には高値となり,再発時には病的細胞の増加に先がけて,高値から急速に低下した。慢性骨髄性白血病では多くは低値を示し,正常ないし高値のものは,いづれも,急性転化例,あるいは,末期例である。(4)慢性骨髄性白血病の末梢血中好塩基球数(B),好酸球数(E)は増加し,病態の経時的変化に応じて変動する。完全寛解においては,好塩基球数の正常化とともに,E/B比は1前後となるが,なお正常のE/Bより低値をとり,病態の残存が推測された。再発時にさいしては白血球数の増加に先がけて,好塩基球数増加,E/B比低下をみ,E/B比の算定は特に治療上の一指標として有力であることが明らかにされた。
- 千葉大学の論文