肺瘢痕と発癌の因果関係に関する実験的研究 : ラットにおける肺焼灼および4-Nitroquinoline 1-Oxide(4 NQO)の投与について
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概要
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種々の病因により,肺に瘢痕組織が形成される頻度は高い。この場合そこに残存する肺胞上皮,細気管支上皮の再生,増殖,更に異型増殖から癌化に至る一つの想定は,いわゆる"瘢痕癌"の成立過程を追跡する道しるべとされている。しかし,その過程に関連する内的あるいは外的の因子との関係は勿論明らかにされていない。これらの因果関係の一端を実験的に解明するためにラットを用い,人工的肺瘢痕を作製し,発癌剤として4 NQOを投与し肺瘢痕の自然経過に加えて発癌前の瘢痕部に対する影響を病理形態学的に検索した。実験的に形成された肺瘢痕は人肺瘢痕に類似し,瘢痕周辺には肺胞上皮,細気管支上皮の増生,腺様化生巣がみられた。さらに瘢痕作成後これに4 NQOを加えた群では,細気管支上皮の増生像が強く,細胞は数層を形成し,化生性増殖巣が観察された。これらの所見は人肺では前癌性の変化として指摘されている所見であり,癌化に至る
- 千葉大学の論文
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