胃癌特異抗原の分析と診断への応用
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概要
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抗胃癌性腹水ウサギ血清を使用した胃癌患者血清中の抗原分析では,患者血清α-G分画に特異な反応を示す抗原を認めた。この分画を免疫抗原として作製した異種抗体を用いて,TRC法およびOuchterlony法による抗原分析を行なったところ,胃癌および食道癌患者血清のα-G分画中には常にこの抗原が存在し,さらに胃癌組織についてこの抗原の存否を求めたところ,そのマイクロゾームに同性状の抗原を認め得た。ついで胃癌組織を抗原として異種抗体を作製して検討を加えたところ,胃癌組織のマイクロゾームにみられた抗原は,患者血清中の抗原と全く同一の特異性を示すものであった。ここにおいてこの特異抗原の有無による胃癌の免疫学的診断を試みたところ,胃癌,食道癌ではきわめて高率に陽性を呈し,ほかの癌および良性の疾患ではほとんど陰性であったので,診断に資することができるものと考える。
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