バンチ症候群赤脾髄の電子顕微鏡的研究
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概要
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1.増生洞を電顕的に不規則洞,均一洞の2群に分け,後者をさらに髄索狭細化群,髄索肥厚群に分類した。2.髄索の線維化は細網線維の肥厚増生およびその中に膠原線維の多数出現を主とするものである。この線維化に関連して,洞壁下および髄索内に固定性細網細胞よりの移行型と考えられる線維芽細胞を認めた。3.髄索内浮遊血球成分および貧喰性細網細胞の減少を認める。4.洞腔内には,洞内皮細胞および貧喰性細網細胞の偽足様膨隆,またはこれらに類似の胞体片でみたされている。これらは,同一条件にて包埋の正常脾にはみられない点より,単なるartifactではなく,門脈系循環障害に基づく変性の可能性も考えられる。5.動脈系より洞に至る直接の管腔系の連絡は認め得なかったが,細動脈の脾洞への位置的接近,脾洞および細動脈両者の基底膜の共有像が認められ,これは,shunt形成の可能性を支持する所見と考えられる。
- 千葉大学の論文