ウサギ皮下組織における牛血清アルブミン病巣免疫反応の組織病理学的研究
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概要
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牛血清アルブミンを抗原として,ウサギ背部皮下組織の同一部位にくり返し注射を行ない,そこに発生した病巣および諸臓器の肉眼的,組織学的変化を検索し,後述のような結果を得た。これから得られた知見を要約すれば,次のごとくである。1.ウサギ背部皮下組織の同一部位に,抗原として,牛血清アルブミンをくり返し注射していると,その局所に炎性病巣反応(一種の病巣免疫反応)が発生する。2.この病巣免疫反応は,日時の推移とともに一定の経過,すなわち血管周囲への細胞浸潤にはじまり,壊死巣の形成,肉芽組織の増生さらに瘢痕化にいたる。この反応は,130日前後を境にして,前期,後期にわけられ,前期には,形質細胞の著しい浸潤,増生を伴う炎性肉芽組織の活発な増生が認められた。後期には,病巣内の肉芽組織の硬化,瘢痕化の傾向がみられた。3.このような後期においては,さらに抗原刺激を加えても活発な反応は認められないが,部位を変えて刺激を加えた場合には,かなり激しいアルツス現象がみられた。このことは,局所病巣の疲憊が全身水準のものではないことを示している。4.さらに,感作と平行して局所にくり返し注射を行なった群に比して,局所病巣の組織反応は弱い。5.また,これらの動物の抗体産生臓器には,軽度ではあるが,後期には,過形成より萎縮にいたる過程がみられた。6.以上の局所病巣における組織応答は,病巣免疫反応の一つのモデルと考えられる。
- 千葉大学の論文
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